ナイトミルク
北欧で"夜の牛乳"が静かな話題と聞いた。ナイトキャップにホットミルクを、という意味だと思ったら、これが違う。夜、絞った牛乳のことだ。
「メラトニン」の文字を目にしたり、聞いたりした人は多いだろう。脳の松果体で分泌されるホルモンのことで、暗い時間帯に明るい時間帯の数十倍も産生される。逆にいうと、メラトニンの分泌は光によって抑制され、日中は低値が続いて夕暮れ時から徐々に上昇、夜中に高値のピークを示す。
メラトニンの分泌が多いほど夜ぐっすり眠れる。加齢に伴い分泌量も減っていくことが分かっており、高齢者が睡眠時間の減少や浅い眠りを訴えるようになるのは、こうしたメカニズムによる。
最近は、老化防止や抗がん作用、セックス増強作用などでも注目されている。
フィンランドの乳業会社「エヌ・ミルク」の女性社長マイヤ・バルトネンさんは1980年にメラトニンの研究に着手し、90年代からは牛の「乳中メラトニン」の研究に取り組んだ。
その結果、「牛の場合、夜間は日中の約4倍のメラトニンが分泌されるため、夜明け前に搾乳した牛乳には通常の3,4倍のメラトニンが含まれている」ことが明らかになった。
32ヶ月間にわたる長期のマウス実験でも、夜間搾乳のミルクを飲ませたグループは、通常のミルクを与えたグループの平均寿命が2年だったのに比べ、8ヶ月も長寿だった。(中略)
発売からまだ5年足らず。価格も通常牛乳より2割高いとあって、フィンランドでもまだまだマイナーな存在だ。しかし、委託する酪農家を増やしながら、海外にも働きかけたいと意欲を燃やす。今回の来日も、健康メリットを強調する啓発活動だ。
日本では、九州乳業(大分県野津原町)が昨年8月、大塚製薬(東京都千代田区)が同11月から、夜間搾乳の牛乳を発売している。人手、設備などで割高になるが、人気はまずまずとか。
北欧で実証!安眠はこれ"夜絞り牛乳"の効力/『YomiuriWeekly2004.4.4』P108
| 固定リンク


コメント