« 埋没35年 | トップページ | 新島襄のヤクザ性 »

2006.01.29

偏頭痛の特効薬

頭痛外来では頭痛全般の治療にあたっている。頻度は少ないが耐え難い痛みがある群発頭痛、神経痛による頭痛などがあるが、最も訴えが多いのが慢性頭痛。その9割が機能性頭痛と呼ばれるもので、緊張性頭痛と偏頭痛がある。前者は10代から90代までと幅広く、後者は30歳前後の女性患者に多いのが特徴だ。

 慢性頭痛の代名詞になっている偏頭痛は血管の拡張が痛みを引き起こす。頭の片側から痛みが始まるためこの病名が付いているが、頭の両側が痛い場合も結構ある。偏頭痛は神経伝達物質であるセロトニンが主役となる。強力な血管収縮作用があるがすぐ分解され、その反動で血管が急激に拡張し炎症も起こる。
「血管の拡張・炎症は三叉神経を圧迫します。そうすると三叉神経は強い痛みを感じる原因物質を放出します。これが偏頭痛となります」
 体内ホルモンであるセロトニンが関係するだけに、ホルモンバランスの乱れが偏頭痛を起こすきっかけになる。実際、生理前後にホルモン量が急激に変化する女性が多い。思春期以降では、女性の偏頭痛患者は男性の4割という統計がある。閉経とともに偏頭痛が解消するケースも少なくない。
 偏頭痛の治療には現在、セロトニンの受容体を刺激して、血管の拡張を抑制する薬が用いられるようになってきた。
「2000年からトリプタン製剤という薬が使用できるようになりました。患者さんの約7割で頭痛発作を1~2時間以内に抑え、8~9割程度の方に何らかの改善効果がある、まさに特効薬といえるものです」
 トリプタンは化学式ではセロトニンとそっくりな形をしている。頭痛治療に関して、日本は先進国とはいえない。トリプタン製剤の承認は欧米より数年遅れた。
「頭痛に関しては、患者さんの側からも何とかしてくれともっと訴えて欲しいですね。治療の進歩にもつながるはずです。患者さんの悩みをきちんと受け止めるのが頭痛外来の役割なのです」と北川教授(東海大学医学部付属八王子病院院長)は強調する。

参照:頭痛大学

中原英臣(医学博士)・小野隆司(医療ジャーナリスト)/特別外来めぐり・特効薬も出た「頭痛外来」②『週刊新潮2006.2.2』

|

« 埋没35年 | トップページ | 新島襄のヤクザ性 »

」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/26560/8364271

この記事へのトラックバック一覧です: 偏頭痛の特効薬:

« 埋没35年 | トップページ | 新島襄のヤクザ性 »